孤高によろしく千萬あるべし

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続:拡張型心筋症による父の再入院ー補助人工心臓の不具合から緊急手術に至るまで

2019年に入ってから父の拡張型心筋症への言及を避けてきましたが、7月に入ってから急激に調子が悪くなりました。僕自身の気持ちの整理というのもあり、ここで改めて父が置かれている状況を書いておきます。

 

このブログで僕が父の病気に最後に言及したのは2018年の12月です。この頃は割と体調もよく、補助人工心臓を埋め込みながら自宅で過ごすということが可能でした。

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改めて書きますと、僕の父は「拡張型心筋症」という病気にかかっています。この病気は、すごく簡単にいえば、心臓の血液を全身に送る力が弱くなる病気です。通常の人であれば全身に血液が巡り、特に意識をすることもなく日常が送れています。しかし、父の心臓は私達の10%程度の力しか無く、全身に血液を送ることが出来ないのです。このため、父の身体には、心臓が全身に血液を送る力を助けるための「補助人工心臓装置」というものを埋め込んでいます。この補助人工心臓のおかげで、いくつかの制約はあるものの、通常の人と変わらない生活を送ることが可能となりました。父がこの補助人工心臓を埋め込む手術をしたのが2017年9月から10月頃でした。そのおかげで、自分一人で買い物に行って帰ってくるくらいまでに回復しました。それが2018年頃です。

しかし、今年の6月に差し掛かったあたりでしょうか。父が体調の不良を訴え始めたのです。理屈的には、心臓が血液を送れない分を補助人工心臓が担っているので、大丈夫はなずなのですが、動機や息切れが激しくなり、頻繁に横になることが多くなりました。これはおかしいと病院で精密検査をした所、補助人工心臓の内部に血栓が付着していることが判明しました。どうやらその血栓が原因で、補助人工心臓が上手く動かなくなり、その結果父の心臓を補助することができなくなっているとのことでした。それが判明したのが1ヶ月前の6月の終わり頃です。

父は緊急手術をしました。補助人工心臓装置から外部の人工心肺装置(PCPS)に切り替える手術です。補助人工心臓が動かなくなった以上、最早それに頼る事ができません。従って心臓を補助する機械を据え置き型のPCPSに切り替える手術をしたのです。

 

ここで一つ疑問が湧いてくるかもしれません。埋め込んでいる機械が上手く動かなくなったのならば、それを外して、新しい埋込み型の機械に変えればいいのではないか?なぜ埋込み型ではなく、外部の据え置き型の機械に変える手術をしたのか?という疑問です。実は当初それを想定していたらしいのですが、それが不可能となる状況が発生していました。それが皮膚感染の問題です。

これは以前の記事でも書いたことですが、父の埋め込んでいた補助人工心臓は、外部から電源を供給するために、お腹から外に1本ケーブルが伸びています。そのケーブルの先端をバッテリーないし電源供給装置につなぎ、絶えず補助人工心臓が動くようにする必要がありました。しかしそのケーブルが伸びているお腹から、菌が身体の中に入り込み、悪さをしてしまっていたのです。菌が身体の中に入り込んでいる状況を放置すれば、それはやがて全身に巡り、多臓器不全に至ります。それは絶対に防がなければなりません。もちろん、感染しないために、補助人工心臓をつけている人は、毎日徹底的に消毒をしているのですが、それでも人によっては感染してしまったということでした。僕もそうですが、父は肌が弱く、下着が擦れただけでもかぶれたり、炎症を起こしていました。一般的に言う「肌が弱い人」ということです。そういう人は感染が起こりやすいらしいです。それもあって父はそのお腹から菌が感染し、そのケーブルを伝って菌が身体の中に入り込んでいるということでした。

担当して下さっているお医者さんが言うことには、その菌を取り除いてからでないと、新しい機械を埋め込むことができないということです。つまり一度補助人工心臓装置を外し、内部に侵攻している菌を除去ないしある程度減らしてからでないと新しい補助人工心臓を埋め込むことが出来ない、ということです。

今回はその第一段階に当たる、埋め込んでいた機械を外す手術をしました。その間、父の心臓の補助はPCPSという、据え置き型の大きい機械が担うことになります。一度身体から機械を取り除くことで、感染部位を特定し、菌をなくそう(減らそう)ということでこの手術が行われました。先週の7月4日のことです。この手術によって、父はICU(集中治療室)に収容されています。

 

しかし、外部の機械を使うことで新たに問題点が浮上してきます。ここでは3つだけ書いておきます。

まず一つは、PCPSはかなり大型な機械のため、装着した人は動けない状態となります。具体的には、足の大静脈から血液を取り、そこに酸素を供給して足の大動脈に戻すのですが、足を固定する必要があるため装着者は常に寝たきりの状態となります。加えて父の場合は菌(クレブシエラ・ニューモニエ)が身体の内部に侵攻してしまっていることから、その感染を食い止める必要がありました。従って抗生剤を使い、全身に投与する必要が出てきています。そのため、父は意図的に常に昏睡させられています。

次に、血栓の問題です。血というのは不思議なもので、自分の血管以外に血が流れると固まるという性質があります。医療の進歩によって血が固まりにくいような素材が開発されていますが、絶対的ではありません。人工心肺装置を使うと、そこに血液を送るために特殊なチューブを通すことになりますが、そこで血液が固まるという可能性が生じるのです。最初にも書いたとおり、父は心臓に機械を埋め込んでいましたが、そこの内部にも血栓が出来てしまい、結果としてそれが原因となり今回の手術になりました。今回はそれよりも大型の機械を使っているため、そこに血栓が出来るという問題があるのです。血栓が出来ることで一番怖いのは、その血栓が原因で脳や肺の血管が詰まること(脳梗塞や肺梗塞)です。実は、一度父は脳梗塞を起こしています。幸いにも入院中に発生したため、脳梗塞が発症してから10分程度で緊急手術となりました。極めて早期に対処できたというのもあって、特に後遺症も無かったのが不幸中の幸いです。話が逸れましたが、とにかく父は一度脳梗塞を発症しているというのもあって、再び血栓が出来て脳や肺に詰まるのではないか、というのが怖いのです。

最後に、これが現在最も危惧していることですが、父の体力の低下です。手術から1週間が経過しましたが、それまでずっと父は意図的に昏睡させられています。更に呼吸を管理するために呼吸器を装着しています。このような状態で常に寝たきりとなると、徐々にではありますが、本人の体力も低下していくことでしょう。期間が長ければ長いほど、回復する可能性は薄くなっていきます。以前、心臓の手術をした時はICUに2週間から3週間ほど収容されていたのですが、今回はその期間よりも長くなりそうなので、それが最も心配している事です。

以上が外部の機械を使うことによる問題点ですが、それとは別にもう一つ、現在危惧している点を書くとすれば、敗血症による多臓器不全の可能性があることです。敗血症とは全身に菌が周り、それが原因で多臓器不全に至るというもので、最悪死に至る症状です。風邪が極端に悪化した場合を想定してください。熱が出て、吐き気がし、汗が大量にでます。通常の人であれば、身体の免疫が対応してくれるのですが、それが上手く働かないと全身が菌に侵されます。その、更に酷いバージョンが敗血症です。これはインターネットで調べた情報ですが、敗血症のイメージとしては、ウルトラマンが怪獣と戦っているものだそうです。身体に侵入してきた菌が怪獣だとして、それと戦う免疫がウルトラマンだとすれば、街は身体です。菌が強ければ強いほど、その数は多ければ多いほどウルトラマンは頑張って戦うので、それだけ街は多く破壊されます。それが進むと重要な街(臓器)が破壊され、多臓器不全に至ります。

どうやら父はその初期の段階にある、ということでした。今、全身に抗生剤を投与して(つまりは戦うウルトラマンの数を増やして)いるのですが、どこまで効くのかは分からないとお医者さんは言っていました。敗血症と言っても回復する場合もあれば、そのまま進行して死に至る場合もあるそうです。とにかく状況は以前よりも深刻化しています。

 

と、いうのが現在の状況です。ここまでを簡単に整理しておきますと、父の補助人工心臓に血栓が付着して壊れた事によって、機械を取り替える必要が出てきました。それを替えるための手術の第一段階として、外付けの機械に切り替えました。そこで思わぬ弊害が発生し、身体に侵入してきた菌によって敗血症にかかっているということです。その敗血症を食い止めるために、抗生剤を投与している状態です。

仮に抗生剤が効いて上手くいったとしても、次にまた新しい補助人工心臓を埋めるための手術が控えています。そこまで父の体力が持つかどうか分かりません。道のりは長く、険しいものとなります。僕自身は祈ることしか出来ません。来月に大事な試験があるので、悪い影響が出なければいいのですが。